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スペイン発!バッグに入るヘルメット新発売

“愛情が原材料”


子ども用品ブランド・ノロッカのコンセプトは「パッと灯る。笑顔の道具」。アウトドア好きの父親が妻と息子のために開発した自転車チャイルドシート用レインカバーが、ノロッカの第一歩です。

ノロッカの開発者でありデザイナーの村住明彦(むらずみ・あきひこ)さんに、モノづくりへのこだわりや自身の子育てについて想いをお伺いしました。

———子ども用品ブランドということで、まずはご家族のことを教えてください。

妻、10歳の息子、犬一匹と、東京・世田谷で暮らしています。緑が多くのんびりとしたところです。休日は家族で出かけることが好きで、特にアウトドアな遊びが好きです。キャンプ、スノーボード、最近はサーフィンも始めました。

———アウトドアの魅力はどんなところですか。

自然という、ありのままの環境の中から楽しみを見つけることだと思います。また、思い通りにならない自然との調和も醍醐味だと感じています。



副業からのクラウドファンディングで
スタートした子ども用品ブランド


———子ども用品ブランド立ち上げの以前は、製品開発や子ども関連のお仕事をされていたのですか?

私自身のキャリアは、広告制作会社のデザイナーからスタートしました。ベビーブランドの仕事をさせていただく機会があり、子どもの幸せのために尽くす仕事に、最高のやりがいを感じました。

その後は、ハーレーダビッドソンジャパンに入社し海外赴任を経験したり、販売やマーケティングの仕事をしてきました。ノロッカは、ハーレーで働いていたときに副業として商品開発を始め、クラウドファンディングで販売をスタートしました。

商品開発やデザインを行う、いすみ市にあるアトリエで



自らの子育てのなかでの
「もっと笑顔に」をカタチに


——— ノロッカのスタートは、自転車のチャイルドシート用レインカバーでした。このアイテムを作ろうと思ったきっかけは?

2016年当時、幼稚園生だった息子のため、チャイルドシート用レインカバーを探していたのですが、当時のレインカバーは「付けっぱなし」を前提としていたものばかりでした。

晴れた日に大人は雨具を使わないのに、子どもにはレインカバーをつけたままにすることに疑問を感じました。晴れた日はレインカバーを外し、全身で風を浴びながら、景色を楽んでほしいと思いました。

妻と息子が使うものだから、「妥協はしたくない、だったら自分で作ってみよう」と思い立ったのがきっかけです。雨の日でも、どうすれば楽しく移動できるだろう?と、息子の笑顔を思い浮かべながら開発をはじめました。



新しい発想や発明から生まれた
「楽しさ」がノロッカらしさ


———ノロッカの大きな特徴といえる30秒でレインカバーを装着する動画は、何度も見てしまいます。

「パッとひらいてすぐに付けられる」というのは、ポップアップテントがヒントになりました。アウトドアのギア(=道具)が好きで、製品開発のヒントはそこから得ることも多いです。

———パッとひらくのは、憂鬱な雨の日の移動をパッと明るく切り替えるようなイメージもあります。

「ぱっと灯る、笑顔の道具」。これはすべてのプロダクトに通じるコンセプトなのですが、ノロッカにふれた親子の顔が、「パッ」と電球のあかりが灯るように明るくなることをイメージしてモノづくりをしています。

便利で使いやすいものは世の中に溢れていますが、新しい《発想》や《発明》が加えられているのが、ノロッカらしさなのかな、と思います。

チャイルドシートはすべて購入して自ら検証する



絶対に妥協しない父親としてのこだわり
原材料は愛情!


———レインカバー発売後はストライダーバッグ、姿勢改善クッションやランドセルと続きます。新しい商品は、どんなときに思いつくのでしょうか。

開発の原動力は、息子との生活のなかで感じた《課題》です。どうしたらもっと楽しく、笑顔で過ごせるのだろう、と常に考えています。実際に多くの商品が息子の成長とともに生まれています。

———子ども用のアイテムを作り続けていく上で、大事にしていることはありますか。

息子や妻が使ったときに、笑顔になれるか?安心・安全なものか?を細部にわたり考え抜きます。家族のためにモノづくりをしているので、自分で言うのも恥ずかしいですが、熱量が違います。

開発段階から見てきた知人からも「ノロッカのアイテムは、愛情が原材料ですね」と言われたことがあって、まさにそれだなぁと思いました。


子育ての「最初の10年」に
寄り添える存在でありたい


———日々を楽しむ。そんな思いが、ノロッカのプロダクトには一貫して反映されている気がします。子育てでもそうなのでしょうか?

私の子育てのモットーは、とにかく日々を楽しく過ごしてほしいということ。息子が小さな頃から、出かけるときには必ず「楽しんできてね!」と言って家から送り出しているんです。それは今でも続いていて、どんなに叱った日であっても「楽しんできてね!」は、欠かせません(笑)

子育ては振り返るとあっという間。ブランド立ち上げ当時、まだ小さかった息子は10歳になり、もう小学校高学年になりました。ノロッカのアイテムからも、そろそろ卒業の時期です。

次は、みなさんがノロッカと一緒に、日々の子育てを楽しく過ごしてほしい。みなさんのお子さまたちにも「楽しんできてね!」という気持ちが届いたら嬉しいです。

ノロッカは子育ての長いようで短い “最初の10年”に寄り添っていくブランドでありたいと願います。

聞き手:遠藤るりこ
2023年7月インタビュー

村住 明彦
株式会社アークズ代表取締役。広告制作会社で携わっていたベビーブランドのプロモーションや、ハーレーダビッドソンジャパンでの販売・マーケティングの経験を経て、2016年「norokka」を副業で立ち上げる。2018年3月にチャイルドシート用レインカバーをクラウドファインディングで発売開始。会社から独立後、2019年12月に株式会社アークズを設立。「パッと灯る 笑顔の道具」をコンセプトに、子ども用品の開発・販売を続けている。